My N360
私のN360の紹介です。
○基本性能
何時ものようにまずは車検書の内容の確認です
内容 | ハコスカ君 | N360 | -comment |
初度登録年月 | 昭和45年8月 | - | 45年式と聞きましたが車検書の記載では?です。 普通車と軽では記載方法が違うのかな? |
初度検査年月 | - | 不明 | |
自動車の種別 | 小型 | 軽自動車 | 当時軽自動車は白の8ナンバーです。 |
用途 | 乗用 | 乗用なので今の軽で言う所の50ナンバーです。 貨物よりは若干自動車税が高目です。 |
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自家・事業用の別 | 自家用 | ||
車体の形状 | 箱型 | ||
乗車定員 | 5名 | 4名 | 当然定員は4名です。 |
車名 | 日産 | ホンダ | 初のホンダユーザーになりました。 |
形式 | PGC10 | N360 | 比較的Nの中では後期になるのかな… とは言っても140万台も製造したのかな? |
車体番号 | PGC10-0011*** | N360-1436*** | |
車両重量 | 1120kg | 550kg | 車重はハコスカ君のほぼ半分です。 実際サイズを比べても納得です。 |
車両総重量 | 1396kg | 770kg | |
長さ | 439cm | 299cm | |
幅 | 161cm | 129cm | |
高さ | 138cm | 134cm | |
原動機 | S20 | N360E | エンジンの名前ですが形式にEが付くだけです。 もっとカッコいい名前かと期待したんですが… 因みにツインキャブはTが付くみたいです。 |
排気量 | 1.98L | 0.35L | |
燃料の種類 | ガソリン |
前オーナーさんが昭和45年式を47年に中古で購入され現在まで乗られていたそうです。
購入当初はご家族とでの九州への帰省等もされていたそうですが、最近はイベント等への参加程度しか走行しなかったようです。
その為に走行距離としては40年間に僅か5万5千キロとの事でした。
勿論車庫に保管されていたそうで、雨天にはまったく走っていないようです。
しかし走行する機会は少ないんですがボディ/エンジン/シャーシ等については十分なメンテナンスをされていたそうです。
第一印象でもこの辺の調子が良いのが分りました。
残念ながらオーナーさんも高齢となり息子さん達等が乗られないと言う事で今回業者さんを経由して売りに出したそうです。
ネットに掲載した途端1000件ほどのアクセスや数件の問合せが入ったそうですが、偶々早めに連絡を入れた私が優先に商談に入らせて頂きました。
オーナーさんのお宅にお邪魔して取扱や思い出話なのどを聞かせて頂き、結果オーナーさんも私の事を気に入ってもらい譲ってもらえました。
無事Nのオーナーになれました(^_^)/~
○外観
全長(m) | 2.995 | ||||
全巾(m) | 1.295 | ||||
全高(m) | 1.340 | ||||
軸距(m) | 2.000 | ||||
輪距(m) | 前 | 1.140 | |||
後 | 1.105 | ||||
最低地上高(m) | 0.170 | ||||
車両重量(kg) | 535 |
今の軽自動車と比べてもびっくりするぐらいコンパクトです。
ボディ外装についてはなんと塗り替えもしていないそうで、当時のカタログ上では”トニーイエロー”という色のようです。
サイドには黒のピンストライプもは入っていて結構スポーティーな感じです。
個々にキズ/凹み等は有りますが全体の艶としてはかなり良い状態です。
下回りの付いても車庫保管で最近は雨天は未使用と言う事でさび等もほとんど無さそうです。
フロントマスクはヘッドライトとグリルが分離したNV型と言われるタイプです。
カタログ上でも前期のNT/Uに対して正式にはNV360とうたわれていたようです。
グリルには純正のフォグランプも装備されています。
購入して初めて知ったんですがリアのトランクリッドですが樹脂製なんですね。
ボディと材質が違っている性なのかちょっと塗装の色の感じが違ってます。
グリル/サイドダクト/バンパーのメッキに多少のダメージはありますが、これもまだ磨けば良い感じになりそうです。
若干の痛み等はありますが40年前の車である事を考えると奇跡的なコンデションではと思います。
○内装
定員(人) | 4 | ||
客室内寸法(m) | 長さ | 1.580 | |
巾 | 1.115 | ||
高さ | 1.125 |
内装ですがこちらも非常に程度が良いです。
内装の色としてはブラックを基調としたコーディネイトとなります。
走行距離が少ないのもありますがフロント/リアシート共に破れも無く、へたれもほとんど有りません。
また車庫保管と言う事もありダッシュボード内張りにつても日焼け/劣化もありません。
購入後早速フロアマット/カーペットを剥がしての大掃除をしましたが、その下には純正の分厚いフェルトも入っており走行時のノイズが少ない訳が分りました。
勿論その下のフロアーについても全く問題が無いのには改めてびっくりしました。
ダッシュボードには大径のスピード/タコメーターが装備され間には燃料計が装備されています。
タコメーターのフルスケールはハコスカ君と同じ10000rpmで、レッドゾーンはそれを上回る8500rpmからと超高回転ユニットである証です。
メーターの照明については透過式という事で結構綺麗に見えます。
ダッシュボードにはヘッドライト/フォグランプ/2段式ワイパー/チョークのスイッチが取付けられています。
右下にはハーザードのスイッチがあるのは始めて知りました。
ステアリングはスポーティなウッド風の3本スポークとなり、センターにはホンダマークの付いたホーンボタンが装備されています。
比較的大径ですが操作は非常にし易いです。
形式もラックアンドピニオンなので結構ダイレクト感はあります。
センターコンソールも装備され、そこからウッドノブが付いたシフトレバーが生えています。
バックギアは今ではほとんど見られない左下になります。
ヒーターの温度調整のレバーはこの右側にあり、押し込むと独特な匂いを含んだ暖かい空気が室内に入ってきます。
センターコンソールラジオの上のレーバーにて足元とデフロスターの切替も出来ます。
小さいながら助手席側にはダッシュボックスもあり車検書/取扱説明書等を入れる事が出来ます。
オーディオ系についてはダッシュボードに純正のラジオが付いていますが、ボリュームがガリオーム(接触不良)気味ですがちゃんと動きます。
また助手席側のダッシュボードの下にはカセットデッキとなんと8トラックデッキ(今の人は知らないだろうな…)まで装備されています。
リアダッシュにはスピーカーボックスも装備されていますが我が家には8トラックは勿論ですがカセットテープも無いので動くかどうかは未確認です。
リアシートサイド両側にはサイドポケットも装備されており小物やジュースの缶等の置く事ができます。
リアシートの背もたれについてはトランク側からの蝶ネジを外せば倒れたり取り外しをする事が出来、トランクスルーにもなります。
如何に前オーナーさんが大事にしているのか判る内装の状態です。
○エンジン
エンジン | 強制空冷4サイクル2気筒OHC | ||
総排気量(L) | 0.354 | ||
内径×行程(mm) | 62.5×57.8 | ||
圧縮比 | 8.5 | ||
気化器型式と数 | 横向可変ベンチュリー型1個 | ||
空気清浄器型式と数 | 濾紙式 1個 | ||
プラグ型式 | B-7E | ||
最高出力(PS/rpm) | 31/8,500 | ||
最大トルク(kg-m/rpm) | 3.0/5,500 | ||
最高速度(km/h) | 115 | ||
登坂能力(度) | 20 | ||
舗装平坦路燃費(km/L) 40km/h | 28 |
当時の軽自動車のエンジンは2ストロークやOHVが主流でパワーも20馬力程度でした。
オートバイで世界を席巻したホンダでしたがオープンスポーツカーとしてSシリーズを発売していましたが、まだ乗用車はラインナップされていませんでした。
そこでホンダの初の乗用自動車として1967年に発売されたのがN360でした。
オートバイのエンジンをベースに設計されたOHC空冷2気筒エンジンは極端なショートストロークで、なんと31馬力を8500回転で叩き出しました。
最高速も115km/hと当時の軽自動車のレベルから突出した性能でした。
カムを駆動するチェーンはオートバイと同様に2つのピストンの間を通っていました。
エンジンの後ろには冷却用の強制ファンが装備され、その余熱を使って室内の暖房にも使用されました。
当然他社もこれに刺激され軽自動車のハイパワー競争が始まります。
ホンダでもこれに対抗しカムの作用角の見直し/高圧縮化やキャブレターをツイン化し、なんと36馬力を9000回転で発生するモデルまで発売されました。
なんとリッター100馬力を発生した訳です。
その後NU/Vとこのパワーは継続されたんですが、逆にこのあまりにも凄まじいパワーが為に不幸な結果も生んでしまいました。
当時発生した”ユーザーユニオン事件”です。
アメリカで社会問題になっていた「欠陥車問題」の影響により日本ユーザーユニオンと言う団体がN360に操縦安定性の面で重大な欠陥があり未然の故意による殺人罪で当時ホンダの社長であった本田宗一郎さんを東京地検に告訴したそうです。
捜査の結果宗一郎さんは不起訴となり、逆にホンダがユニオン側を恐喝で告訴する事態に発展しました。
裁判的にはホンダの勝訴となったようですがこの影響で発売以来3年間国内販売首位を保ってきたN360でしたが販売不振となり、残念ながら47年には販売終了となってしまいました。
家のNですがS-Typeと言う事で残念ながらシングルキャブの31馬力仕様です。
排気量は360ccと小さい為さすがに3000rpmを下回る領域では厳しいですが、4000rpmを超えた辺りからレッドゾーンの8500rpmまでは一気に吹き上がります。
どうしても古いエンジンはタペットやチェーンからの異音が発生しちゃいますが少ない走行距離のおかげでほとんど出ていません。
ちょっとエンジンの吹き上がりが重い感じ(S20と比べてはいけないかも知れませんが…)がしますが、程度としてはかなり良いみたいです。
ん〜 できるだけオリジナルでとは思いますがツインキャブ化はかなり魅力的です(^_^)/~
○駆動系
クラッチ型式 | 乾燥単板式ダイヤフラムスプリング | |
変速機型式 | 前進4段フルシンクロ、後退1段 | |
変速機操作方式 | 直接操作 | |
変速比 | 1速 | 2.470 |
2速 | 1.565 | |
3速 | 1.000 | |
4速 | 0.648 | |
後退 | 2.437 | |
最終減速比 | 9.961 |
駆動系ですがSシリーズのFRレイアウトに対してホンダの史上初のFFとなります。
フロントに2気筒エンジンを横置きとし、4速ミッションとデフを介してフロントホイールを駆動します。
このミッションもNT/U時代はバイク的な常時噛み合い式のドグミッションでしたが、NVからは通常のシンクロを持ったミッションとなったようです。
面白いのはギア比です。
一般的な車では4速がギア比1.00の直結となりますが、Nの場合は3速がギア比1.00の直結となり4速はオーバードライブギアとなっています。
そのギア比も0.6程度と実際に乗ると3と4速の間がかなり開いています。
3速で5000rpmほどでシフトアップをしちゃうと3000rpmを下回り全く加速をしてくれません…当時の交通事情ではこれでよかったんでしょうか?
ちょっと知らべて見ると面白いデータがあります。
Nはすべて4速ミッションですが同じエンジンを使ったホンダZでは5速ミッションがラインナップされたようです。
最終減速比と5速のギア比は同じですが、Nの1〜3速の領域に4段のギアを設けたようです。
これだと現在の街乗りでもかなりマッチングするのではと思います。
また最終減速比もちょっと通常とは違うようです。
途中にチェーンを使った二次減速が入っているようで、逆にここの歯数を替える事により比較的簡単に最終ギア比を変更できるようです。
家のNも走行距離のおかげでミッションの状態も問題ありません。
シフトレバーから長目のリンケージを介しているのでグニャグニャ感はありますが、それぞれ目的のギアへの切替はスムーズです。
ん〜 こちらもホンダZ用の5速ミッションなんかが見つかれば面白い仕様になるんじゃないかと思います。
○足回り/タイヤ/ブレーキ
前車軸型式 | マックファーソン式 | |
後車軸形式 | リジッドアクスル | |
懸架方式 | 前 | 独立懸架式 |
後 | 半楕円板バネ式 | |
緩衝機型式 | 前 | 筒型復動式 |
後 | 筒型復動式 | |
ブレーキの種類型式 | リーディングトレーリング油圧式4輪制動 | |
タイヤサイズ(前・後) | 5.20-10-4PR |
足回りも当時の定番です。
フロントストラットリアはリーフ(板バネ)です。
ブレーキはブースター無の4輪ドラムですから結構プアです。
家のNの足回りは多分フルノーマルかと思います。
ダンパーもさほど傷んでいないようですがさすがにリアの板バネは伸び側のストロークがほとんど無く、トラックのような突き上げが結構きついです。
逆にリアシートに人を乗っけた方が乗り心地がよくなります。
ブースター無の4輪ドラムも絶対的な踏み力は必要ですが車重も軽いので効かない訳ではありません。
タイヤについてはノーマルスチールホイールに当時のバイアスタイヤを組み込んだセットと145R10のラジアルタイヤを組み込んだ2セットを譲ってもらいました。
バイアスタイヤのホイールには純正のメッキのホイールキャップも付けてくれたので雰囲気は良い感じです。
しかしタイヤ自身はサイドウォールにひびが入ったりとかなり劣化しているので交換しなくてはいけません。
ヤフオク等を見ると10インチのアルミも結構出品されているので最新のラジアルタイヤとの組合わせも良いかも知れません。
★インプレッション
こんなNですが上手できないかも知れませんがインプレッションをお伝えします。
運転席に収まりエンジンを掛けます。
イグニッションキーをひねってっセルを回すと「ク〜〜」という軽い回転音の後、無事エンジンが掛かります。
冷えている間は若干アクセルをあおり気味にしますが、しばらくするとアイドリングが安定します。
機械式のタコメーターではちょっと高目の1200rpm辺りを表示しています。
それでは走り出します。
窮屈なクラッチペダルを踏み込んで、ミッションを1速に入れようと思います。
結構リンケージが長くでストロークが大きめですがギアに入り始めればスムーズです。
アイドリング付近で発進しようとクラッチをつなげようとするとエンジンがストールしそうです…
さすがに排気量が360ccという事でやはり3000rpm以下の低回転のトルクはほとんど無い感じです。
あらためてクラッチを切って回転数をちょっと高めの3000rpm辺りでクラッチのミートさせます。
ん〜無事走り出します。
各ギアで5000rpm程まで引張2速⇒3速にシフトアップをします。
2速と3速共に気持ちよく加速してくれますが、4速にシフトアップした途端加速してくれません(^_-)(^_-)
直結の3速とODの4速とのギア比がかなり開いておりシフトアップした途端エンジンのパワーバンド以下に回転が落ちてしますからです。
再度3速に落として6000rpm辺りまで引っ張って4速にアップすれば4000rpmオーバーのパワーバンド内となり力強く加速してくれます。
ちょっと大きなステアリングの直進性も全く問題が有りません。
しかし乗り心地はちょっと厳しい所もあります。
リア側ですが加重も少ない事もあり板バネの伸び側のストロークがほとんど無く、路面の段差による突き上げが結構鋭いです。
フロント側は結構良い感じなんですが勿体無い所です。
取り合えず路面の状態が良いのを確認して4速のままで加速しています。
6000rpmで約80km/hとなり、7000rpm辺りで100km/hとスピードメーターは表示しています。
しかしエンジンからや風きり/路面ロードノイズが思ったより低くて快適です。
このままアクセルを開けていくとレッドゾーン手前の8000rpmまでストレス無く上昇してきます。
しかし前方は結構急な登り道です…
やはり絶対的なパワーは少なく登って行くとアクセルを全開にしても徐々にスピードが落ちて来ます。
4速で4000rpmを下回りそうになると、完璧に登りに車速が喰われて全く加速が出来ません。
仕方なく3速に落とすとエンジン回転は6000rpm辺りに上昇してスピードが維持でき、なんとか頂上を通過します。
続いての下りですが今度は前方にきついコーナーが迫ります。
プアなブレーキを心配して早めにダブルクラッチを使いシフトダウンをしながらレバーを踏みます。
ん〜 サーボも無いので絶対的な踏み力は必要ですが、車重も軽いおかげでちゃんと減速が出来そうです。
サスペンションはノーマルなので結構大きなロールを伴いながらコーナーをすり抜けていきます。
調子に乗ってちょっと減速不足でコーナーに突っ込んじゃいました…スピードを落とそうとアクセルを緩めるといきなりフロントタイヤが「キュキュ」と泣き出してイン側に切れ込んでいきます。
ん〜 これがFFで発生する”タックイン現象”のようです。
慌ててステアリングとアクセルをコントロールして復帰させます。
全体的には軽快なコーナーリングを披露してくれますが、やはりちょっとサスペンション/タイヤのキャパシティ不足な感じです。
これを替えればかなり楽しめそうな感じです。
日も暮れて寒くなってきたのでセンターコンソール横のヒーターレバーを押し込みます。
しばらく走ると排気の匂いを伴って暖かい空気が室内に入り込んできます。
最初は結構目とか鼻にきつい匂いですが、しばらくすると慣れたのかあまり気にならなくなります。
空冷のヒーターはかなり効きが弱いという事ですが11月の中旬の現在では逆に暑すぎて温調しなければいかないほどです。
結構走ったようでメーターを見るとガソリンがありません…給油する事にしました。
スタンドに止めて助手席側の給油孔のカバーを秘密の方法(現在では有り得ませんね(^_^)/~)で開いて、キャップを外して給油します。
満タンでも26リッターしか入らないので僅かな量です。
ん〜どうやらリッター18km程は走っちゃうようです。
さすが排気量360ccの威力です。
さあガソリンも満タンになったので、もう少しNの走りを楽しみます。
どうでしょうか?Nの走りの感じが伝わったでしょうか?
★現在におけるNの意味
私は子供の頃は結構科学好きでした。
小学校の頃ですが毎月の教材付の雑誌やSF科学小説等を読んだりするのが楽しみでした。
その中でも最も心躍ったのが”タイムマシーン”です。
自分の生きている現代から恐竜のいた過去や科学が限界まで発展した未来に行けたらば、どんなに楽しいのかと思っていました。
当然当時はどうすれば良いのかはまったく分かりませんでしたが、最近はある意味時間旅行は可能ではと思ってます。
現在の科学を使えば冷凍睡眠等で何百年も眠って過ごせば遠い未来にも行く事は十分可能でしょう。
また逆に過去の環境を大切に保管すれば、その世界に入れば過去にも行ける訳です。
今回Nを手に入れて改めて感じたのがこの感覚です。
前オーナーさんが大変な努力をしてNを当時のコンディションを維持してくれたおかげで、Nに乗ることにより40年前の感覚を味わえる訳です。
決して古い物だけが良いとは思ってませんが当時でしか味わえない物も多々あると思います。
最近東京モーターショーにてホンダから外観をNをモティーフにした電気自動車が出品されました。
詳しい仕様は知りませんが単に外観だけを似せた物だとしたら大変残念です。
今では大企業となったホンダですが当時は自動車業界では新参者だったと思います。
すでに国内でも他のメーカーが乗用自動車を発売しており、この業界に切り込む為にはどうしたら良いのかと悩んでいたと思います。
その回答として発売されたのがN360でした。
空冷エンジンや初期のドグミッションは乗用車としては決して洗練された物とは言えなかったかも知れませんが、そのマイナスを打ち消すほどのインパクトも有り市場に受け入れられたのではと思います。
今回Nに乗って感じたのは確かに今レベルから言えば決して大した物ではないのは確かですが、しかしこれが当時は画期的な商品だったのも確かなんです。
当時の雑誌等の記録を読めば文章としては理解はできますが、実際に乗る事により具体的に感じる事ができる訳です。
バーチャルだけではなくリアルな経験ですがこれが重要です。
私の勤めている電機業界も含めてですが日本も確かに裕福な国になり物は溢れ、それを上回る商品が開発できないジレンマがあるのは確かで、おかげで結局コストをいかに下げるのか競争となってしまっています。
本来はこのN360が生まれ背景・思想等を十分理解し、新たなNの様な商品を開発して欲しいと思います。
Nやハコスカ君は過去を味わえるタイムマシーンです。
そういった気持ちを込めてできるだけ若い人達や皆にNやハコスカ君を味わって貰いたいと思ってます。
是非興味がある方は遠慮なく声を掛けて下さいね(^_^)/~
P.S. 前オーナーさんが一生懸命Nの時間を止めてくれていたんですが、私が乗り始めたのでNの時間が動き出しちゃいました。
残念ながら動き出した時間は今まで止まっていただけに急激に進みそうで心配です…大丈夫かな?