私も人並みにボーナスを貰い、ハコスカ君をいじりたいと思います。
昨年はフロントスプリング/ショック交換を実施しましたが、その際にも気が付いていたんですがフロントゴム系の痛みが見られました。
今年のテーマは”フロント周りのリフレッシュ作戦”です。
○部品手配 1
実はすでに日産部品で、フロント周りゴム系は手に入れていました。
すべて純正品で手に入りましたが、折角のリフレッシュですからちょっと奢っちゃおうかとかと思います。
ブッシュ系ですが純正は一般的なゴムですが、社外品で同形状で材質がウレタン系のが出回っています。
通常のゴムに比べてウレタンは硬度が高く、ステアリング系によりダイレクト感が出るそうです。
実はノーマルゴム系を入手した目的はこれから図面を起こして、自分で作成しようかと思っていました。
以前ラジコンの足回りの自作をした際にも地元の材料屋さんで材料を購入した事があるので、今回もと思いましたがヤフオクを見ていると結構廉価で出品されています。
ん〜自分の手間/工賃を考えると、購入したほうが良いかも知れません。
早速探してみると面白いものがありました。
ピロテンションロッドが廉価で出品されています。
テンションロッドとはフロントストラット下側のロアアームをフロント側から引っ張っているロッドです。
ノーマルのテンションロッドは勿論調整機構は持っていませんし、ボディへの固定もゴムブッシュを介して取付けられているので走行時に撓んでしまいます。
そこでこのゴムの部分をピロボールにし、スムーズな動きと変形を防止します。
またロッドの長さを調整する事によってロアアームが前後に動き、その結果キャスター角が調整できる訳です。
一般的にはキャスター角を起こす(角度減少)させると直進性は悪化するんですが、コーナーリング時の初期反応が良くなります。
ラジコンでも調整可能なんですが、結構体感できます。
しかしテンションロッドでロアアームを動かしてしまうとそれ以外のアライメントずれが発生するので、アライメント全体の調整が必要になります。
取合えずGETです。
続いてブッシュ系の注文をします。
まずはスタビライザー(スタビ)周りです。
ちなみにスタビライザーとは別名アンチローリングバーとも言い、コーナーリング時の車体の傾きを抑えます。
単純にスプリングレートを高く(硬く)すれば相対的に傾きも減るんですが、それでは絶対的なグリップ低下や乗り心地の悪化を招いてしまいます。
そこでスタビを付ける訳です。
サスペンション左右が同時に上下する時には、スタビは有っても無くても関係ありません。
しかしコーナーリング時に車体が傾くとスタビバーにねじれ方向に力が働きます。
するとスタビのねじれの反力によって沈み込んだ側を持ち上げようとする力が発生し、結果的にスプリングレートがUPし車体の傾きを規制します。
つまりコーナーリング時の傾き方向/量によって左右のバネレートが変化する訳です。
この様に車体の傾きを押えるスタビバーですが実際にはボディ/サスペンションにゴム等を介して接続しています。
このゴムの部分が変形してしまうと折角のスタビの効果が薄れてしまいます。
そこでこのゴム部分をより硬度高いウレタン系の樹脂から作成する訳です。
効果はブッシュその物の変形が防げるので、スタビ効果がよりダイレクトに発揮できます。
ハコスカ君の場合結構足回り系の部品がヤフオク/ホームページで紹介されていますので早速ネットで探します。
今回はヤフオクにハコスカ系の部品を多数出品している”ぶひん屋”さんに入札しました。
ん〜ついでにいろんなパーツも頼みたいんですが、予算の関係で今回はスタビ系のブッシュのみを落札します。
無事取引も終わりGETしましたが、さすがにゴムに比べて硬度が各段に高くて、しっかりしています。
加工も綺麗で良い買い物が出来ました。
次は何を注文しようかな(^_^)/~
いよいよ最後の注文です。
ヤフオクでは入手できなかったロアアーム用ブッシュですが、いつものラバーソウルさんに注文です。
ちょっと値段は高いんですが、重要な部分なので是非交換しておきたい部品です。
これでブッシュ類はすべて手に入りますが、勢いでストラットタワーバーも注文しちゃいます。
これはご存知フロントストラットの間に取付けてボディ強度をUPさせます。
フロント周りの補強としては外せない部品です。
いつもの通りスムーズなお取引で、ラバーソウルさんから無事商品到着です。
ん〜ストラットバーがかっこ良いです。
以前のトレノ君の時にはセンターバーが一般的な丸棒だったんですが、今回のハコスカ君のは楕円(オーバル)形の太めで、結構強度がありそうです。
すべてをお盆休みに取付けようとかと思っていましたが、我慢できずにストラットバーの取り付けをしちゃいました。
まずはフロントストラットの固定用ナットを緩めてストラットバーを仮組みします。
そのまま取付けるとボディの塗装が痛みそうなので、ちょっと悩みます。
間にクッションを付けたいと思うんですが、あまり厚いのを付けちゃうと折角の補強の意味がありません。
こんな時は100円ショップの物色にかぎります。
色々見てみるとディスクマットで薄目のがあって、これが良さそうです。
ストラットへの取付け部を型にしてマジックで形状をなぞって、切り抜きます。
一旦センターバー取付け部を緩め、作成したマット敷いてをストラット部を左右各3本のナットで固定をします。
続いて緩めたセンターバーを固定して完了です。
ん〜良い感じです。
ボンネットとの干渉も無く、エンジンルームが引き立ちます。
品名 | 部品番号 | ノーマル | 変更 | 備考 | |||
使用数 | 単価 | 価格 | 価格 | ||||
ロアアーム | ブッシュ | 54537-00100 | 4 | 160 | 640 |
5,763 |
テフロン |
テンションロッド | ブッシュ | 54476-28500 | 2 | 260 | 520 | 21,000 | ピロテンションロッド |
54477-28500 | 2 | 260 | 520 | ||||
カラー | 54479-28500 | 2 | 260 | 520 | |||
スタビライザー | スタビライザーブッシュ | 54613-A0100 | 2 | 320 | 640 | 3,090 | テフロン
|
ラバーブッシュ | 56112-A0100 | 2 | 260 | 520 | 2,690 | ||
ラバーブッシュ | 56112-V0100 | 6 | 100 | 600 | |||
フロントストラットバー |
- |
15,435 | オーバルタイプ | ||||
合計 | 3,960 | 47,978 |
ちょっと予算オーバーですがこれでフロント足回りリフレッシュの為の部品はすべて揃いました。
お盆休みが楽しみです。
いよいよ購入した足回りの部品の組込みです。
まずはスタビバーの左右ブッシュAss'yをサスアームから取り外します。
ちなみにいつに交換されたか?ですがスタビのブッシュはかなり傷んでぼろぼろです。
続いてボディ取付け部のボルトを外して、スタビバー本体も取り外します。
続いてテンションロッドの取り外しです。
車体フロント側の大きなナットを外して、サスアームに固定されている2本のボルトを外せばOKです。
こちらもブッシュがだいぶつぶれています。
いよいよ最も大変なサスアームの取り外しです。
サスアーム先端のボルトを外せばストラットからは分離します。
取合えずストラットはアッパーマウント部でつながっているのでそのままにします。
サスアーム根元はピンでボディに固定されているので、フロント側の14mmナット/リア側の2本の12mmナットを外します。
その状態でサスアームを上下/前後(ゴムブッシュなので結構動きます)に動かしながらサスアームピンを抜き取ります。
これでサスアームが取り外せます。
取り外したサスアーム/メンバーの裏側に若干錆が出ているので簡単にワイヤーブラシでの錆落しと防錆ラッカーにて塗装のプチレストアしておきます。
いよいよブッシュ類の組付け/組立てです。
まずはサスアーム根元のブッシュ交換です。
スタビエンドほどではないんですがかなりゴムが劣化して、サスアーム/ピンの部分に付着しているのでワイヤーブラシで除去します。
ブッシュをサスアームに挿入し、取合えずピンを入れようとしますが硬くて入りません…
材質がウレタンですからゴムに比べて硬いので、手で押し込むぐらいではびくともしません。
一度サスアームからブッシュを外して単品でピンを挿入するとだいぶ緩い感じですから、サスアームに取付ける事によってブッシュがつぶれてその分ピンの入る穴の内径が小さくなってしまっているようです。
ピンの入る内径削るのも大変なので、ブッシュのサスアーム挿入部の外周をカッターにて削ります。
ある程度削るとだいぶピンが入りやすくはなりましたが、やはり先にブッシュをサスアームに挿入してからでは、とても手で入る感じがしません…
仕方がないのでフロント側はブッシュをサスアームに挿入、リア側は先にピンにブッシュを挿入した状態で組付けを行います。
ステアリングのリンケージがあって非常に手が入り難いんですが全身の力を振絞り、何とかピンの頭がフロント側に数mm程度出た所まで挿入できました。
そこへナットを掛けて締付ける事により、やっとピンを挿入する事ができました。
片側のサスアームピン挿入だけで2時間ぐらいかかりました…脱水状態一歩手前でした。
続いて反対側ですが、要領を得たので同じ方法で無事取付け完了となりました。
続いてテンションロッドの取付けです。
今回交換するピロテンションロッドは長さ調整ができるので、取合えず取付け前にノーマルと同じ長さに合せます。
ちなみに今回のロッドですが調整部両端のねじ山が片側が逆ねじになっているので、取付けた状態で長さ調整ができます。
ラジコンでもオプションの交換用パーツとしてあるんですが、これは便利です。
しかし長さ調整されたロッドを取り付けようとしますが、ブッシュを交換した為サスアームの前後に動き辛くなったので、ロッドとサスアームの取付け穴が合いません。
助手席側は何とかサスアームを後ろに押えた状態で取付けができましたが運転席側はかなり穴がずれていて、どうしても合いません。
左右で違う訳は?ですが仕方がないので一旦テンションロッド短く調整し取付け、その後に左右を同じ長さに調整し直します。
ボディ側の本締めをして、テンションロッドの取付けも完了です。
最後にスタビの取り付けです。
まずはスタビバー取付けブッシュの穴の部分をカッターで切り、取付けをした後車体に仮止めし、その状態で左右のブッシュAss'yとでサスアームと接続します。
ブッシュ/ワッシャーの順番が重要なので、間違えないように取り付けます。
ブッシュAss'yを締め付け、最後にスタビバー取付け部を本締めして完了です。
炎天下の屋根なし駐車場でまる2日掛けて、無事交換完了です。
疲れた体に鞭をかけて、お楽しみの試運転です。
ん〜良い感じです。
まず分かるのはブレーキを掛けた時の変化です。
変更前はブレーキを掛けた時フロント部が変形しているような感触に対して、剛性感が格段にアップしてカチッとした感じになります。
これはテンションロッドのゴムを廃して、ピロ化による効果が大きいんだと思います。
また直進時のステアリングの雰囲気も変わりました。
今までに比べてステアリングの遊び範囲と、そうでない所の境目が明確になりました。
これはサスペンションの動き始めがゴムブッシュの変形によってスポイルされてしまっていたのが、ピロ/テフロンブッシュに変更した為にはっきり分かるようになったようです。
スピードを上げた状態でコーナーリングをしても狙ったラインに対してステアリングの切り具合のずれが減少したのも効果かも知れません。
ちなみに限界領域での変化は、もちろん私の腕では確認できません(^_^)
最後に荒れた路面での乗り心地等については、大きくは変わらないようです。
苦労した足回りのリフレッシュですが目的は達成できたようです。
しかし懸念事項としてはテフロンブッシュの耐久性(会社のO君からアドバイスで、2年ぐらいでテフロンブッシュが飛び出してくるとの事も…)、ボディに対してのダメージです。
この辺のチェックは、今後は重要です。
取合えずフロント足回りのリフレッシュが完了しましたが、折角ですからアライメント測定/調整を しようかと思います。
ハコスカ君の場合ノーマルではほとんどアライメント調整する所がなく、ステアリングロッド長さ調 整によるフロントのトー調整のみです。
しかし私のハコスカ君の場合アッパーマウント/テンションロッドを調整式に交換した為に、フロン トのキャンバー/キャスター調整が可能となります。
アライメント調整は会社でカートでレースをしていた人達御用達の”アライメント浜松”さんに持込 んでお願いします。
専用のキャリア部にハコスカ君を乗せ4輪の空気圧を調整、ホイールのがたをチェックします。
右リアの若干のガタがあるようです。
続いて4輪のホイールに反射ユニットを取付けます。
本体からライトを照らして反射板の三角形の形状をカメラにてパターン認識して、各ホイールの傾き/位置関係を測定するようです。
結構ハイテクです。
いよいよ測定開始です。
ん〜結構良い感じです。
取合えず調整できるアッパーマウント0表示/テンションロッドはノーマルと同じ長さの標準値としましたが、この状態でフロント左右のずれはほとんどありません。
大きな事故等でボディが歪んでいると調整を標準値に設定しても同じにならないそうです。
リアキャンバーの左右が若干違うのは先ほどのホイールのガタが原因ではとの事で、ハブのガタのある右側がキャンバーが大きめになっているんじゃないかと思います。
またトレッド/ホイールベース等の各ホイール位置関係ですが、こちらも1〜2mm程度のずれなのでボ ディ全体に大きなゆがみは出ていないようです。
結論として37年落ちのハコスカ君ですが、ボディに痛みはありますが大きくひずみが無いのが何よりでした。
いよいよアライメントの調整ですが、最初に目標値を相談します。
フロントキャンバーですが現状25′で若干ポジティブ(逆八の字)となっています。
これは若干ネガティブ(八の字)傾向のほうが良いそうです。
キャスターはテンションロッドがノーマル長さなのでそのままで良いんじゃないかと事です。
最後にトーについては現状ほぼ0なので、これも直進性を配慮して若干イン側に調整する事にしまし た。
これを目標にして社長さんに調整をしてもらいます。
無事調整完了で最終測定を実施してもらいます。
現状 | 再調整 | |
キャンバー | 25′ | -14′ |
キャスター | 57′ | 50′ |
トー | 0.1mm | 1.0mm |
キャンバー/トー調整共に目標通りに調整ができ、それに伴いキャスターが7′ほど減少しました。
ん〜 私の大好きな数字がたくさん並んできました(^_^)/
この結果を元にアッパーマウントにキャンバーの調整に目盛りがあるので、今後のこの目盛りを目安に調整ができるように相関を取ってみます。
今回初期は目盛り0でキャンバーが25′で、−14′に調整した所、目盛りとしては約1.2目盛りになりました。
その結果でExcelでグラフを作ってみます。
これをグラフから例えばキャンバを−1°にするには、目盛りを2.6目盛りにすれば言い訳です。
実際にはぴったりには行かないとは思いますが、近い値になるのではと思います。
おーと 完成したので早速試運転です。
ん〜? さすがに初期でも大きなずれが無く調整後の値も大きく変わっていないので、即体感と言う ほどの効果は見られませんが、気持ち高速直進時ステアリングの遊び領域内の直進性が若干良くなったかなと言う感じです。
また今回トー調整時ステアリングロッドの片側のみの調整のおかげで僅かに直進時ステアリングセン ターがずれていましたが、この辺がぴったり合ったのが良い感じです。
今回実施のアライメント測定/調整でしたが、何よりボディ側に大きなゆがみが無い事が判明して何よりです。
フロント周りの足回りはこれで完了ですが、次回はリア周りのスプリング/ショックの見直しで足回 りは一旦完了です。