レストア計画 第1弾 結果報告
ガレージタケウチさんにお願いした”レストア 第1弾”が完了しました。
結果報告です。
○エンジン
・油圧低下原因/対策
今回のメインのエンジン油圧低下ですが、劣化したタペットカバーガスケット(ゴム)が千切れてオンルパンに落ち、それがオイルストレーナの網の部分に付着したのが原因でした。
対策としては単純に異物の除去にて完了です。
またオイルポンプについては結構貴重な初期型のギアトレインタイプが付いていて、嬉しい発見でした。
・メタルダメージ確認
油圧低下のままかなりの距離を走行したのでメタル系へのダメージが心配でした。
しかしカムを含めたメタルの磨耗状況等を確認をしてもらいましたが殆ど問題がないようでした。
ん〜良かった(^_^)/~
・オイル漏れ
エンジン周辺にかなりオイル漏れが発生していました。
今回エンジンを降ろして確認をしたんですがクランクシャフト前後からのオイル漏れが結構酷かったみたいです。
ミッション側はフライホイール/クラッチ系に漏れたオイルが飛散していたようです。
クランクシールはもちろん前後共に交換です。
・デスビシャフトベアリング
この部分のベアリングも径が小さい為に結構痛みが早いそうです。
今回ダメージがありそうなので交換します。
・カムシャフト周辺
以前自分で確認した時点でもバルブクリアランスに問題があったカムシャフト周辺です。
カム本体についてはどうやらノーマルベースの加工がされているようです。
リフト量はノーマルを大幅に上回り、その為クリアランス調整用シムも非常に厚いものが使用されていました。
作用角については実測ができなかったので今後確認したい所です。
バルブクリアランス設定に際して今後純正シムをベースにクリアランス調整ができるようにと亀有製のスペーサ使用しました。
また工数についてもさすがに24バルブすべての確認〜シム厚調整には結構掛かるようです。
この辺はOHCのL型でしたらロッカーアーム部のねじ調整で済みますので大幅に費用が削減できます。
最終的にはすべてS20標準値への追い込みが完了しました。
・エンジン内その他
その他のエンジン内部状況ですがピストンについてはノーマルですがオーバーサイズが入っているようですし、コンロッドについてもバランス取り等がされているようなので、過去一回は前バラのオーバーホールがされているようだととの事でした。
次回は全バラオーバーホールかな。
・タペットカバー 再塗装
だいぶ草臥れていた結晶塗装ですが、今回再塗装を実施しました。
色については同じS20でも搭載車種/年式で違いがあるそうで、今回はタケウチさんのお勧めの色としました。
さすがにプロの塗装で結晶具合も良い感じです。
・キャブレタ オーバーホール
こちらは私がメインで実施しました。
本体についてはタケウチさんでブラスト機を借りてクリーニングを実施しましたが仕上がりに納得ができず、結局ウェットプラストを実施しました。
その仕上がりはとても良い感じです。
また金属部品については再めっきも実施しました。
組付けに際してはポンプユニットのダイヤフラムを含めたオーバーホールキットを使用し、痛んだ燃料フィルタ/パイロットスクリューについても新品を使用しました。
取外した時に傷めたバタフライ1個については新品を組込みました。
バタフライの組込みに際しては新兵器のバキュームユニットを使用し先ほどの新品バタフライの不具合を含めて確認を実施しました。
最終的にはエンジン組込み後の調整でも大きく問題もなくオーバーホール完了です。
・エキゾーストマニホールド 磨き
エンジン降ろしの間にエキマニについてもクリーニングを実施しました。
気合のサンドペーパーでの表面の汚れの除去を行いましたが、はっきり言ってかなり大変です…
今回はとても鏡面とは言えませんが、良しとします。
また磨いた際に集合部のクラックも発見!!これもタケウチさんで溶接修理をお願いしました。
取付け後ですが排気ガスの熱で焼けて飴色となって、良い感じです
・ダイナモプーリー交換
エンジン降ろしの際にファンベルトの磨耗が結構発生していたそうです。
原因はダイナモに使用しているプーリー形状がおかしかったようです。
タケウチさんの手持ちのプーリーと交換をしてくれました。
・エンジンルーム 再塗装
今回折角エンジンを降ろしたのでエンジンルームのみ再塗装を実施します。
フロントパネルの下側には本来は補強の三角のプレートが付くはずですが付いていないそうです。
そこでタケウチさんの手持ちのボディから外して取付けてもらいます。
塗装に際してはエンジンはもちろんですがフロントストラット/メンバー/ステアリングユニット等すべて取外した状態で行ってくれました。
通称"ドンガラ"状態です。
この状態で塗装屋さんで再塗装ですが、エンジンルーム内に不要な穴等が開いていたりとおかしな部分についても修正してくれたそうです。
塗装も終わりエンジン/その他部品の取付けです。
アクセルリンケージやその他の部品についても再めっきやクリーニングをしてくれて新品のようです。
ん〜 しかしキャブレターのリンケージの一部が再めっきされてません…残念!!
またエンジン取付けに辺り左右とリアのエンジンマウントも新品に交換します。
それと入庫直前に発生のラジエータホースパンクの問題もあり未交換のラジエータ/ヒーターホースについても全部新品に交換しました。
仕上がったエンジンルームです。
・フライホール
アイドリングからのレスポンスですが以前のトレノ君の2T-Gと遜色のない感じで、ひょっとしたらノーマルではないのではと思ってましたが分解した所、クロモリ製の軽量Typeに交換されていました。
重量を測ってみると4kgでしたから通称"レース用"と呼ばれている物のようです。
しかし実使用についてはアイドリング付近での不安定さもないので、まったく問題ありません。
・クラッチ系
ディスク/カバー共にノーマルのようです。
エンジンオイル漏れによる汚れの問題はありましたが磨耗等の問題は殆どなく、今回はクリーニングの後に再使用します。
・ドライブシャフト オーバーホール
低速で走るとギクシャクするバックラッシュが結構ありました。
原因は色々ありますが今回は結構リアのドライブシャフトのジョイント部分の磨耗の要因が多いそうです。
今回はドライブシャフトのオーバーホールを実施してもらいます。
またアライメント測定時点でも指摘されたリアハブのがたですが、やはりベアリングの劣化の問題のようです。
ドライブシャフトOHに伴いベアリングについても新品に交換です。
完成後の試運転でも従来に比べて駆動系のバックラッシュがなくなりスムーズな運転ができます。
効果ありです。
○内装
・フロントシート張替え
以前実施のリアシートに引き続きフロントシートについても張替えを実施しました。
ん〜座り心地が違います。
張替え時にクッション等の修正もしてくれたようで腰周りのサポートがしっかりします。
またクッションセンターの部分の模様は本来は滑り止めなんですが張替えに伴いこの部分がしっかりと効いています。
さすがに新品は違います。
・センターコンソール オーバーホール
メータユニットのクリーニング/LED化に伴い認識性は大幅にUPです。
耐久性はまだ?ですがクラック部分の修理もできました。
シフトブーツ/サイドカバーも新品となり良い気分です。
・ダッシュボード 交換
購入時点で44年式に交換されていたダッシュボードですが再販の45年式に交換します。
デフロスターカバー部分も折れた部分を修復した購入時付いていた樹脂性のに戻します。
ん〜 ナビゲーションの取付けはどうしましょう・・・
・ヒーターユニット オーバーホール
季節の変わり目等でヒーターの温調レバーを動かすと冷却水が漏れました…
ダッシュボード周辺を取外したのでチェックしてもらうとやはり漏れが発生していたようです。
ヒーターコアOH/コック,ホース類は新品交換を実施します
ん〜 これで水周りはラジエータ本体/ウォーターポンプを除いて一式交換済みです。
・バルクヘッドボード 交換
ダッシュ/ヒーターユニットを外してあるのでその奥にあるバルクヘッドボードの交換も簡単です。
ついでに再販品に交換してもらいます。
・メーターユニット オーバーホール
購入直後に実施のメーターユニットのOHですがLED化に伴い2回目の実施です。
効果は絶大です。
輝度の不均一もかなり改善され最近の透過式に比べられませんが間接照明タイプとしてはかなり黙認性がUPしました。
しかし取付け後ですが以前発生のトリップメーターが止まっちゃう症状が再発です…
多分またもやねじが緩んでしまったと推測されます。
ん〜 また外さないと・・・(^_-)
・ルームミラー 交換
タケウチさんのショーウィンドウにはかなり魅力的な商品が並んでいます。
その中に前々から目を付けていた商品があります。
ワークス用のワイドルームミラーです。
当時品ではなくレプリカらしいですが、作りも結構良いみたいです。
殺し文句の"最後の一つ"との事です。
ん〜 今月は私の**回目の誕生日です。自分宛へのプレゼントです(^_^)/~
現状のノーマルを外して取付けできるみたいです。
おお〜 結構ワイドです。
取りあえずお宝部品GETです。
・サイドトレー
サイドボードに取付け用の穴が開いていないんですが、裏側にマーキングがありこの部分に穴を開ければOKです。
ちょっと長めのボルトにて取付けです。
これで丸秘のハコスカファイルが置けます。
同時におまけで頂いた懐中電灯も取付けます。
内田さんありがとうございました。
○足回り
・ブレーキ交換
MK63廃番とのネット情報で、今回思い切って交換しちゃいました。
当然ディスクのベンチレーテッド化も同時に実施します。
ん〜 まずは何より見た目がカッコいいです(^_^)/~ これ重要です!!
早速試運転です・・・しかし3ヶ月ぶりですから交換前からの変化については???です。
しかし確実にブレーキの利き始めの喰い付く感じは良くなりました。
2⇒4ポッドに伴い押える面積が増えたはずですが、同時にパッドもスポーツタイプに交換したのでその相乗効果かも知れません。
どちらにしても初期〜通常時のブレーキの利きについて明らかにキャパUPしている感じです。
またソリッド⇒ベンチローターへ変更もされているので耐熱性についても効果があるはずです。
早く全開ブレーキを体験したい所です。
・フロントハブベアリング交換
ブレーキ交換に伴いハブのがた等を確認してもらった所、リアに引き続きフロント側も若干のがたと音が出ているそうです。
内田さんのHPでもベンチ化に伴い重量が増加するのでベアリングの交換等を奨励していたので、思い切って交換します。
同時に以前Nさんからもらったベアリングキャップについても新品に交換します。
これで足回り系のベアリングについてはすべて新品になりました。
・車高 調整
前後スプリング/ショックを交換してあるんですが車高に若干の不満がありました。
多分ボディその物はほぼ水平だと思いますが、ボディデザイン的にハコスカ君の場合は若干リアが下がっているように見えます。
フロントストラットを取外してあるのでスプリングをカットして車高をもう少し下げようと思います。
メカのTさんと現物を見て相談しますが、さすがに1巻きカットしちゃうとかなり車高が落ちそうです・・・
今回は半巻きカットする事にしました。
出来上がりの車高もフロントが気持ち落ちて満足です。
○外装
・グリル/フェンダーミラー 再塗装
グリルとフェンダーミラーは自分で塗装済みです。
ホームセンターの艶消し黒にて塗装しましたがちょっと黒が強すぎる感じですが、取合えずOKとします。
グリルのセンターマーク/飾りの取付けの止めワッシャーが劣化しています…
タケウチさんが探してくれた所リアガーニッシュ取付けのナットが使用できるそうという事で注文/取付けを実施してくれました。
・ヘッドライトベース 再めっき
ライトベースについてもエンジン/キャブレタ周辺部分と同時に再めっきしました。
ボディへの取付けはタケウチさんでやってくれたんですが光軸もばっちりで以前に比べ大幅に光量UPです。
ナイトドライブもばっちりです。
★収支報告
皆さんもレストア費用については興味津々じゃないかと思います。
総額いくら・・・とは言えませんが、取りあえず収支報告です。
・ブレーキ系
今回ローター/キャリパーの部品代が殆どです。
ノーマルブレーキのパッドも昨年末の車検で交換したばっかなんですが当然使用できません。
・エンジン系
やはりメインはバルブクリアランス調整に伴う部品/技術料です。
これだけで16万円程度掛かりましたが、これもDOHC4バルブの宿命です。
あとはタペットカバー再塗装も実施しているので逆にそれ以外はさほどの費用が掛かっていません。
鍛造ハイコンプピストンやフルカウンターのクランク等、お金を掛ければ切がありませんが現状フェーズ1仕様としては完結です。
・吸気系
こちらはソレックスキャブレタのウェットブラスト+オーバーホールの費用です。
自分でやったので工賃は0です。
・冷却系
エンジン降ろしに伴いラジエータ/ヒーター関連のホース類の交換です。
ヒータユニットのオーバーホール/部品交換も入っています。
・駆動系
フロント/リアのベアリング交換とドライブシャフトのオーバーホール代です。
この部分は分解〜組立ての手間が掛かりますので技術料が多目になります。
・内装
ここが初期の見込みに対して結構費用が掛かっちゃいました・・・
とは言ってもシート張替えの13万円を始めダッシュボード/ワイドミラーと、殆どが部品代です。
逆に技術料がこの程度で良いのかな…
・外装
ここはエンジンルームの再塗装費用がほとんでです。
こっちも初期構想にはなかったんですが、今後ボディレストア実施に当たり今回実施しておいたほうがいいとの判断です。
でも一体ボディ全塗装は何時できることやら…
・共通
その他費用です。
エンジン脱着/オイル,LLC交換/再めっき等必要な費用です。
金額を公開するのも無粋ですがグラフを見て頂ければ大体の総額が分るかと思いまが、皆さんの参考になればと思います。
当初の予定に対しては大幅にUPしてしまいましたが、今後乗り続けていくには必要な費用かと判断しています。
お金はどうするのかって?… もちろんがんばって働きます(^_^)/~
★総括
かなりの金額と3ヶ月の期間を掛けたレストア第1弾が完了しました。
"できる所はできるだけ自分でやろう"との方針でがんばってきましたが、やはりプロの手に任せなければいけない所も多々あると感じました。
また今回の何よりの収穫は現状把握がかなりできたことです。
特にブラックBox状態だったエンジン内部の仕様が明確になったおかげ、今後の計画が立案できるようになりました。
これからもがんばっていきますので、皆さんアドバイス等よろしくお願いします。
◆今後の問題点と対策
・ミッション 劣化
タケウチさんからも指摘されていたんですがミッションの劣化がかなり進行しているようです。
今回もミッションオイルを交換した時に潰れた部品(ベアリング…?)のような物が出てきたそうです。
自分では慣れているおかげか致命的とは思っていなかったんですが、知合いの人に運転してもらうとシフトダウンで2速にまったく入らないようです…
部品供給も厳しくなっているので早めのオーバーホールを勧められています。
・ウォーターポンプ 異音
今回3ヶ月ほどエンジンが回っていなかったからかも知れませんが再起動後にウォーターポンプからの異音が発生します。
もう少し走れば馴染むのかも知れませんが、こちらもオーバーホール/交換が必要なようです。
・ボディ 修復
当初今回の計画にサイドシェル部の交換/板金&ドア交換を実施するつもりでした。
しかし費用的にも厳しく今回は見送りとしました。
しかしボディに痛みも日々進行しているので将来的にはレストアが必要です。
タケウチさんとも相談しましたがボディ全体の修復となると、やはり数ヶ月〜半年は時間が必要との事です。
費用的にも今回の第1弾の総額を上回りそうです…
じっくり腰をすえて計画を立案しなければいけないです。
最後に
今回のレストア第1弾にご協力して頂いた皆さん 本当にありがとうございました!!
これからもハコスカ君とがんばっていきまので、宜しくお願いします(^_^)/~