ちょっとDeepなラジコン講座

子供の頃から物を作るのが楽しみでした。

プラモデル/ゴム動力の飛行機/真空管ラジオ/電子回路/このホームページ等色々作ってきました。

ちょっと大袈裟なんですが、ある意味私の人生の目的のような気もします。

そんな私がラジコンをやると、ちょっとDeepな所が気になります。

暇つぶしにどうぞ (^_^)/~

第一話 スピードコントローラーの話

私がラジコンを始めた15年ぐらい前ではスピードコントロールには一般的にはレジスタ(抵抗)使ったのが一般的でした。

スロットルのサーボでスイッチでレジスタを切り替えて、モーターの電圧を変える訳です。

抵抗が大きいほどモーターに加わる電圧が下がって、結果的にスピードコントロールが出来るのです。

コスト的には廉価で良いんですが、スピードコントロールが段階的にしか切り替わらないのでスムーズなコントロールが出来ません。

また全開で走っている時は良いんですが、中〜低速で走っている時は折角のバッテリーの電気がレジスタで熱に変換されて効率が悪いんです。

これを電気的に制御しようとしたのがスピードコントローラ(業界ではアンプと言います)です。

当初はトランジスター式のコントローラも有ったようですが、一般的にはFET( Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)式のコントローラが主流でした。

FETはゲート/ドレイン/ソースの3端子があります。

    

ドレインとソースの間にはN型半導体でつながっており、この中間にP型半導体で構成されたゲートがあります。

ゲートに電圧を加えていくとゲート-ソース間を流れる電流を抑制して、ある値以上になるとまったく流れなくなります。

つまりFETのゲートとは、門な訳です。

このFETを使って従来のレジスタの様にモーターに加わる電圧を可変するんではなく、電圧は一定で加わる時間を制御します。

モーターとバッテリーの間にFETを入れて、ゲートに発信回路をつなげて電圧のコントロールをします。

ゲートに電圧を掛けている時間が長いほどドレイン-ソース間OPENにする時間が長くなり、結果的にモーターに印加される電圧が上昇する訳です。

このFETコントローラの良い所はゲートの電圧制御することによって0〜100%のモーター電圧が制御でき、スムーズなスピードコントロールが可能となった訳です。

また時間で制御するので従来のレジスタ制御に比べてバッテリーの無駄遣いが無くなり、飛躍的なランタイムの確保も出来るようになりました。

FETスピードコントローラも進化してきてよりFETの内部抵抗削減による効率アップや発信器の高周波化によるスムーズなコントロールも可能になってきましたが、そんな中最も驚いたのが走行中のモーターからのバッテリーへのリチャージ機能の追加です。

モーターは回転することによって発電します。

FETスピードコントローラでは電圧を掛けている時といない時が有りますが、この電圧を掛けていない時にモーターにて発電した電気をバッテリーに充電してしまうんです。

全開状態では駄目ですが、ちょっとでもスロットルを緩めた状態で走れば充電がされる訳です。

原理に驚きましたが、実際にランライムも伸びるのには感激しました。

スロットルを開ければ走る電動ラジコンですが、実はその為には色々な技術が盛り込まれているんですね。

第二話 四駆の話し

現状のツーリングカーの主流は4輪駆動(4WD)です。

安定したグリップが確保できるんですが当然4WDの欠点もあります。

ラジコンの場合一般的にはセンターデフが無く、コーナーリング時にブレーキング現象が発生します。

車はコーナーリングをすると前輪と後輪とでは回転半径に違いが出ます。

後輪に対して前輪の回転半径が大きくなってしまう為にセンターデフを無い4WDの場合、前後輪が同じ回転数でまわってしまうので前輪が抵抗となってしまってブレーキが掛かってしまいます。

この対策として駆動系にワンウェイベアリングを入れます。

ワンウェイベアリングですが言葉の通り1方向にしか回らない構造となっています。

先ほどの様にコーナーリングした時に前輪に対して後輪の回転数小さくなるので、フロント駆動系にワンウェイベアリングをいれます。

そうすると後輪より回転数大きいフロント側は空転してしまうので先ほどのブレーキング現象は発生しません。

この為にコーナーリングの失速を防ぐことが出来ます。

またワンウェイを入れる事によりストレートでも効果が出ます。

ストレートを走っている時ですが当然前後輪共に同じ回転数で回っていますが、ワンウェイが入っているフロント側には駆動が掛からないので2輪駆動と同じで駆動系の負荷が減少します。

結果的にはストレートの伸びに効いてきます。

上記のワンウェイの効果は実は付加価値のようなもので、本当の効果はバリアブルな駆動配分にあります。

ストレートを走行中の場合は先ほど説明しましたが前後輪の回転数が同じなのでフロント側の駆動は0%です。

しかし後輪側の駆動が大きすぎスリップを始めると前輪に対して後輪側の回転が上回ろうとするとその回転数の差分前輪側を駆動する訳です。

後輪がまったくグリップしなくてスリップ率が100%となると前輪側の駆動が最大の100%になります。

効果としては実車のスカイラインGT-R(R32系以降)の電子制御式トルクスプリットと同じ訳です。

ラジコンの場合はこれをワンウェイベアリングを使い機械的に制御しています。

○もう一つのワンウェイベアリングの使い方

前輪駆動側にワンウェイを入れる事によって前輪の駆動を制御するんですが、入れる場所によってもう少し効果が違います。

ワンウェイを前後輪の間に入れる場合と前輪側の左右にそれぞれワンウェイを入れる場合があります。

前輪の左右にそれぞれに入れ事によりコーナーリング時に効果が出ます。

コーナーリング時ですが左右の回転半径ですが内側が小さくなります。

そうなると駆動力は回転数の少ない内側に優先的にかかります。

前輪のデフもないので強力に駆動する訳です。

性格的には前後輪の間に入れるよりもよりクイックになる訳です。

ラジコンの駆動系も結構ハイテクです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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