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第11話 キャブレタの最適口径の話し

ネットで知合ったトヨタ2000GTのオーナーさんキャブレタマッチングについて色々お話をしました。

参考にと、まとめてみました。

○大きい事は良い事・・・なのかな?

ノーマルのシングルキャブレタに対してソレックス等のキャブレタの最大のメリット吸入面積の拡大があります。

1つのエンジンに1つのシングルキャブレタに対して、各気筒毎にキャブレタが付いている訳ですから吸入効率が良くて当り前です。

しかし単純に面積が大きければ良いと言う訳でもないようです。

300φぐらいのシングルキャブを付けちゃう人が出てきます・・・いないか(^_-)(^_-)

第02話のキャブレタの話しでも書きましたが口径が大きくなっちゃうと逆に流速が落ちてしまう問題があります。

またその流速を決定するエンジンの吸気量の関係もあり、やはり最適な口径があるようです。

いつもの楽しい数式が出てきます。

○最適口径の計算

エンジンに最適な口径を計算できる数式があります。

 

 

・・・ おっとこれは空燃比(A/F)計算式でした。私も良く分かりませんが(^_-)(^_-)

 

こちらです。

これなら分かりますよね(^_^)/~

それぞれの記号の意味はこちらです

D:キャブ口径 [mm]
d:ベンチユリー径 [mm]
C:気筒容量 [cc ]
N:最高出力回転数/1000 [rpm]

つまりキャブレタ/ベンチュリー口径気等容量と最高出力回転数で決まります。

早速ハコスカ君のデータで計算をして見ます。

C:気等容量

ハコスカ君のエンジンは総排気量1989ccですが6気筒なの1/6で331.5ccとなります。

N:最高出力回転数/1000

ハコスカ君のエンジンは7000rpmの回転で160馬力を絞り出します。

これを1000で割るととなります。

上記結果にて口径を計算します。

キャブレタ口径 D: 39.5 mm

ベンチュリー径 d: 31.3 mm

ハコスカ君のノーマルキャブレターは

ソレックス    40φ

ベンチュリー 32φ

なので上記計算結果から妥当なサイズと言えます。

ん〜 メーカーはちゃんと考えているようです。

○じゃ 44φなんていらないの?

上記計算はあくまでもノーマルが前提です。

当然排気量を増やしたりハイカム等を組んで最高出力回転数を上げたりしたら当然ノーマルの設定では問題が発生します。

この辺をシュミレーションしてみます。

排気量2000/3000cc4/6気筒の場合をシュミレーションして見ました。

その結果をグラフ化してみます。

<2000cc/4気等>

これは正しくトレノ君のシュミレーションです。

ノーマルの1600ccから2000ccにボアアップしたトレノ君のエンジンは6気筒のハコスカ君より気等容量は大きい500ccとなります。

したがってハコスカ君よりもより大きな口径を必要とします。

しかしハコスカ君の4Valveに対して2Valveのトレノ君の2T-Gエンジンは最高出力回転数が下回ります。

6000rpmを最高出力回転数として算出すると

キャブレタ口径 D: 44.9 mm

ベンチュリー径 d: 35.6 mm

となります。

トレノ君もノーマルの40φから44φ+ベンチュリー37φとしたので、ほぼ計算通りです。

ん〜 この辺の数字の整合性快感を覚える私はやはり数字マニアのようです(^_^)/~

<3000cc/6気筒>

良くあるL型3Lエンジンの仕様です。

気等容量は3000/6気筒なので実はトレノ君と同じ500ccとなります。

したがってグラフその物もまったく同じです。

最高出力回転数を6000rpm程度でしたら44φでもOKですか、8000rpm辺りまで回すハイチューンでは幻のソレックス50φが真剣に必要になります。

 

<2000cc/6気筒>

ノーマルの最高出力回転数7000rpmでは純正のソレックス40φで十分ですが、44φでしたら8500rpm辺りまでの回転までの燃料供給が可能なようです。

この辺がキャブレタ口径UPの効果があるとの判断だと思います。

逆にハコスカ君のS20ソレックス50φでは大き過ぎると言えるかと思います。

 

勿論口径だけでマッチングを云々言うのもおかしいかも知れませんが、計算してみると遠からず結果が出ると納得しちゃいます。

 

ん〜 数字ってほんとに良いものですね

またお会いしましょう (^_^)/~

 (水野春男 調です)

 

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