ラバーソウルさんでマフラーの仕様変更を検討しています。
現状のステン50φデュアルは抜け等は非常に良いんですが、レース用と言うことで当然かなりの爆音仕様です。
フロントマフラー部分はまったくのパイプのみですから当り前です。
タコ足交換に伴いこのフロント部分をストリート用のタイコ有り品に交換しようと思います。
しかしできれば交換前に効果を知りたい所です。
ラバーソウルさんのHPではマフラー毎の排気レベルが参考値として表示されています。
数字好きな私ですから思わず色々計算をしちゃいました。
○騒音の大きさとは
一般的には音の大きさ(騒音レベル)についてはdB(デシベル)で表示されます。
(ちなみに昔はホンという単位でしたが単位系統一の為に廃止されました。因みに1ホン≒1dBの様です)
これは基準となる音圧に対して対象の音圧がどの位の倍率なのかを表しています。
基準となる音圧は基準音圧と言い”p0=20×10-6[Pa]”となります。
音も空気振動による圧力なので単位はPaのようで、値を見てもらうと分るように非常に小さく人間に聞こえる最も小さな音のようです。
これに対して測定した音の圧力が何倍かを表すんですが実際の表示については非常に大きく倍率なのでその値が大きすぎるようです。
したがって具体的な表記については対数表示としている様です。
計算式は下記のようになります。
音圧レベルLp = 20×log10(測定音圧p/基準音圧p0)
ん〜 計算式だけでは分りにくいので一覧表/グラフを作ってみます。
音圧レベル [dB SPL] |
基準音圧 p0= 20×10-6[Pa] |
測定音圧 p [Pa] |
倍率 =p/Po |
|
0dB | 0.00002 | 0.00002 | 1倍 | |
20dB | 0.00002 | 0.0002 | 10倍 | |
40dB | 0.00002 | 0.002 | 100倍 | |
60dB | 0.00002 | 0.02 | 1000倍 | |
80dB | 0.00002 | 0.2 | 10000倍 | |
100dB | 0.00002 | 2 | 100000倍 | |
120dB | 0.00002 | 20 | 1000000倍 | |
140dB | 0.00002 | 200 | 10000000倍 | |
160dB | 0.00002 | 2000 | 100000000倍 | |
180dB | 0.00002 | 20000 | 1000000000倍 | |
200dB | 0.00002 | 200000 | 10000000000倍 |
音圧レベルが20dB増える毎に倍率が10倍になっていくようです。
200dBだと基準音圧に対して百億倍となっちゃいます…確かにこれでは分り難いかも知れません。
基準音圧の0.000002Paに対して10万倍の音圧となると100dBとなります。
100dBと言えば電車が通るガード下辺りとの事ですからかなりの音量となり、120dBとなると100dBに対して10倍の100万倍となり飛行機のエンジン近くとかなり耳障りなレベルのようです。
このように対数表示の場合僅かな値の変化で実際の音圧差は大きいようです。
そこでは具体的にラバーソウルさんのマフラーの場合で考えて見ます。
参考値 | ||
■ 42φ デュアル ステン | 100dB | |
■ 50φ デュアル ステン | 101dB | |
■ 50φ デュアル ステン | レース用 | 104dB |
■ 42φ デュアル | 98dB | |
■ 50φ デュアル | 100dB | |
■ 50φ デュアル | レース用 | 103dB |
ラバーソウルさんのラインナップの中でも現状の50φデュアルステンレース用は最も音圧レベルが高い104dBとなり、今回交換しようとするストリート用は101dBと3dBほど低いみたいです…
ん〜 3dBの変化がどのくらいなのかが分り難いです。
音圧レベル変化量に伴う倍率を分りやすくする為に、もう一度計算〜表/グラフを作成します。
音圧 (dB SPL) |
基準音圧 p0= 20×10-6[Pa] |
測定音圧 p | 倍率 =p/Po |
|
0dB | 0.00002 | 0.00002000 | 1倍 | |
1dB | 0.00002 | 0.00002244 | 1.12倍 | |
2dB | 0.00002 | 0.00002518 | 1.26倍 | |
3dB | 0.00002 | 0.00002825 | 1.41倍 | |
4dB | 0.00002 | 0.00003170 | 1.58倍 | |
5dB | 0.00002 | 0.00003557 | 1.78倍 | |
6dB | 0.00002 | 0.00003991 | 2.00倍 | |
7dB | 0.00002 | 0.00004477 | 2.24倍 | |
8dB | 0.00002 | 0.00005024 | 2.51倍 | |
9dB | 0.00002 | 0.00005637 | 2.82倍 | |
10dB | 0.00002 | 0.00006325 | 3.16倍 | |
20dB | 0.00002 | 0.00020000 | 10倍 |
この表より交換による音圧レベルの変化が3dBだとその差は1.41倍となるようです。
つまりストリート用に対してレース用で1.41倍音が大きい訳です。
スチール製の43φの98dBに対して今のステン50φレース用は104dBなのでその差は6dBとなり、2倍の大きさになる訳です。
ん〜 実際には材質による音質等の変化もあるので数字通りの倍率ではないかも知れませんが、イメージでは判断ができるんじゃないかと思います。
○騒音規制
最近は環境に対しての思慮が大きくなり車の騒音についてもかなり規制が厳しくなっています。
ついでに規制についても調べてみました。
規制の内容も昭和46年から制定された「加速走行騒音」だけではなく、現在では新車登録時に「定常走行騒音」、「近接排気騒音」の規制が追加され、また使用過程時(車検時)には「定常走行騒音」と「近接排気騒音」の規制が適用されるようです。
実際の車検時には「定常走行騒音」については測定が大変と言う事で実際には「近接排気騒音」のみが適用されているようです。
取りあえず継続検査規制の近接排気騒音の一覧表です。
<継続検査規制>
種別・項目 | 近接排気騒音値 | ||||
H元年 規制 |
H10年 規制 |
H11年 規制 |
|||
普通・小型・軽自動車 (定員10人以下の乗用車 二輪・側車付二輪を除く) |
総重量3.5t超 150kw超 |
乗用 | 107 | 99 | |
乗用以外 | 107 | ||||
総重量3.5t超150kw以下 | 105 | ||||
総重量1.7t超3.5t以下 | 103 | ||||
総重量1.7t以下 | 103 | 97 | |||
軽自動車 | 後部エンジン | 103 | |||
後部以外 | 103 | 97 | |||
定員10人以下の乗用車 で、普通・小型・軽自動車 (二輪・側車付二輪を除く) |
後部エンジン | 定員7人以上 | 103 | 100 | |
定員6人以下 | 103 | 100 | |||
後部以外 | 定員7人以上 | 103 | 96 | ||
定員6人以下 | 103 | 96 | |||
二輪車 | 小型 | 99 | |||
軽 | 99 | 94 |
ちょっと複雑な表ですがハコスカ君の場合は定員10名以下の乗用小型車でエンジンが後部以外の定員6名以下となります。
また登録が当然平成元年以前なので継続車検時の近接排気騒音の規制としては103dBのようです。
たぶんラバーソウルさんのマフラーもこの規定から作成されているんでしょうね。
しかし平成10年以降の車については96dBに規制されているようで、それ以前に対して−7dB(1/2.24倍)とかなり厳しい規格のようです。
ん〜 ハコスカ君は古い車で良かった・・・のかな・・・
○近接騒音の測り方
具体的な近接排気騒音の測定方法です。
使用する測定器としては騒音計を使用します。
騒音計の特性として聴感に合わせるためあらかじめ規定のバンドバスフィルターが入っているそうです。
実際の測定方法は、マフラーの後方外側に45度、距離50cmのところに騒音計をセットします。
この状態で最高出力回転数の75%の回転数で空吹かし、そのときの音量を計測するそうです。
ハコスカ君の場合は7000rpmで最高出力160馬力を発生するので、その75%ですから5250rpmにて測定する訳です。
この時規制値の103dBを下回れば問題無い訳です。
マフラーの騒音規制については平成12年以降も改定が進んでいるようです。
ネットで調べただけなのでちょっと?部分はありますが2輪の場合新車登録時以上に継続車検時の規格が厳しくなっているようです。
今後はますます環境問題はクローズアップされてくるので、昨今旧車會のような人達が増えておりますがあまりお上を刺激しないようにしてもらいたものです(-_-;)(-_-;)
貴重なS20の排気音を是非後世に残したい物です。